この記事は住宅ローン控除に必要な書類と、その提出の仕方についてまとめています。
約6分で読めます。
住宅ローン控除の要件を満たしているなら必ず確定申告を
マイホームを購入するとき金融機関からお金を借りることがほとんどだと思います。
いわゆる住宅ローン。
この住宅ローンを組んだときに必ずやっておきたいのが住宅ローン控除の申請です。
個人にかかる税金が年間で最大40万もお得になる制度なので絶対に活用すべきです。というか要件を満たしている人は必ずやってくださいね!!
住宅ローン控除について初年度は確定申告を行わなければなりません。
その際必要となってくる書類をリストにしましたので是非参考にしてください。
一般的にサラリーマンを対象としているので、その他の方については別記事でご説明いたします。
この記事を書いている人
かれこれ10年近く税理士法人、会計事務所で働いてきました。実は住宅ローンの申請って書類さえ揃っていれば自分でも簡単にできてしまいます。書類さえしっかりそろっていれば、国税庁(HP)の確定申告書作成コーナーを使えばサクッと出来ます。初めての方でも1~2時間で申告書は作れます。
住宅ローン控除の初年度は確定申告が必要。一番お勧めな提出方法とは
結局どういう方法が一番お勧めなのか?
結論を言うと自分で確定申告書を郵送してしまうこと。
これに尽きると思います。今では国税庁のホームページで確定申告書を作成することが可能なのでわざわざ税務署に出向いて書類を作成する必要はないし、税理士に頼んで数万円払うなら自分で作ってしまいましょう。
そもそも住宅ローン控除って何?その制度や節税はどのくらいなの?
制度の概要
住宅ローン控除とは正式名称「住宅借入金特別控除」と言います。
難しい内容はさておき、ざっくり言うと、
『住宅を購入した場合にローンを組んだ場合はそのローンの年末残高(12月末)と不動産の購入金額を比較してどちらか低い方の金額の1%を所得税から引くことができる制度』
現在の税制度では初年度から10年間は住宅ローン控除の適用を受けることができます。
簡単に言うと「住宅ローンの残高×1%の節税効果」
もっと詳しく知りたい場合はこちらをご参照くださいね。
(国税庁HP:住宅借入金特別控除)
住宅ローン控除の節税効果を具体的にシミュレーション
マイホームを購入しようとする20~30代のサラリーマンを想定しています。
(年収500万 所得税14万円、住民税24万)
具体例:前提条件
- 年収約500万円(所得税14万円、住民税24万円)
- 住宅ローンは2500万円
- 不動産の価格は2700万円(自己資金200万 住宅ローン200万)
具体例:住宅ローン控除で所得税がどれだけ還付されるかをシミュレーション
住宅ローンの残高と不動産の価格を比較
2500万 < 2700万
どちらか低い方が適用されます。
2500万<2700万 ∴2500万
今回はローン残高2500万で計算します
住宅ローン控除の額を計算します。
2500万×1%=25万円
所得税の額から差し引きます。
14万円 - 25万円 = 0円(引ききれない金額11万円)
所得税の実際の負担額は0円となります。
納めすぎた所得税が還付されます。
実質負担額は0円なのに、既に納めている所得税が14万円あります。
この14万円については初年度は確定申告後に税務署より還付されます。
2年目以降は会社の年末調整により年末調整還付額として計算されます。
【要注意!!】引ききれなかった所得税がある場合には住民税にも影響があります!!
具体例:さらに住民税がどれだけ控除されるかをシミュレーション
さらに、住宅ローン減税については所得税だけの減税制度ではなく住民税にも影響があります。
上の例で所得税から引ききれなかった部分(11万円)については住民税からも引くことができます。
気を付けなければならないのは平成26年(2014年)12月末~平成33年(2022年)12月末に住宅ローンを組んで新居に住んだ場合は住民税から控除される金額の限度額が136,500円となります。
所得税から引ききれなかった金額と限度額136,500円どちらか少ない金額になります。
上の例だと11万と13万6500円を比べると、11万円の方が少なくなりますので11万円が住民税から控除されます。
(計算シミュレーション)
所得税から引くことのできなかった控除額が11万円まだ残っています。
14万円 - 25万円 = 0円(引ききれない金額11万円)
これを住民税から控除することができます。
限度額は136,500円
住民税の控除限度額と引ききれなかった金額を比較します。
11万円 < 13.6万円 ∴ 11万円
住民税から差し引くことのできる金額 11万円
結果:住宅ローン控除を適用すると、とれくらい節税効果があったか
その金額は250,000円!!
約一カ月分の給料に相当する金額ですね。
貯蓄に回すのもいいですし、
ちょっとした投資、欲しいものも買えるのではないでしょうか。
住宅ローンの残高が少なくなればなるほど控除額も減っていきますが、仮に毎年の控除額が20万円だとすると適用できる期間(10年間)の節税効果は約200万円です。
面倒くさいからと言って申請しないのはもったいないです。
マイホームを購入した初年度に必ず確定申告をしましょう。
住宅ローン控除の初年度は必ず確定申告、必要な書類と提出の方法
確定申告は初年度だけ、あとは年末調整で簡単申請
住宅ローン控除については初めて住宅ローン控除を適用する年に確定申告をしなければなりません。2年目以降は住宅ローン控除に必要な書類が税務署から送られてくるので、確定申告の必要はありません。(会社員の場合)
また、確定申告を忘れてしまった場合でも5年間はさかのぼって申告書を提出することができるので、もし確定申告書の提出を忘れた場合もあきらめず提出しましょう。
具体的に必要な書類は何なのか
とりあえず準備する書類を教えてという方はここだけでも読んでくださいね。
会社から給与をもらっているサラリーマンを例としています。
事業主、フリーランスの方は源泉徴収票が無いと思いますので源泉徴収票は要らないです。
- 源泉徴収票(原本)
- 個人番号(マイナンバー)確認書類のコピー
- 不動産の売買契約書
- 金融機関(銀行)送られてくる年末借入金残高証明書
- 不動産登記簿書類(登記事項証明書)
- 印鑑(シャチハタ以外にしましょう)以上の書類が揃っていれば申告書は作成できます。
書類を紛失し直ぐに用意することが出来ないといった場合には下のリストを参照に確認をしてみてください。
確定申告書の作成方法は大きく分けて2種類
確定申告書を自分で作る場合は大きく分けて2通りあるます
- 確定申告書を税務署から取り寄せて直筆で書いて作成する書面作成
- 国税庁の確定申告書作成コーナーを利用してweb上で作成
ここでは、国税庁の確定申告作成コーナーをお勧めいたします。
ハッキリ言ってみずから申告書に記載していくのは手間ですし、税金の計算も自動では行われません。時間の無駄です。確定申告作成コーナーを利用しましょう。
国税庁の確定申告コーナーへのリンクです。よろしければどうぞ!!
↓
「確定申告書作成コーナー」
今年登録しておけば来年も使えますし、データの上書きも簡単です。
手間が省けます。ふるさと納税や医療費控除など毎年確定申告を行っている人は圧倒的に便利です。
住宅ローン控除を受けるための確定申告の提出方法
提出の方法は大きく分けて三つの方法があります。
おススメは②の「郵送で提出」ですが、一応それぞれの提出の仕方のメリット、デメリットをまとめておきました。
- 税務署に直接行って申告を行う
- 税務署へ確定申告書を郵送する(オススメ!!)
- e-taxを利用して電子申告を行う(郵送書類あり)
時間はかかってもいいから一度で済ませたい方
①の「税務署へ直接行く」がおすすめ。
なぜなら、住宅ローン減税は減税措置を受けるのにいくつか要件を満たさなければなりません。税法は難しい言葉や言い回しでかわからないことがあるかもしれません。
そんな時には直ぐに質問できることができる対面での提出、直接税務署へ行って提出がおすすめです。
税務署へわざわざ行くのが面倒、毎年確定申告をする必要のない方
②の「郵送で提出」がおすすめ。
必要書類を封筒に入れて、確定申告書と一緒に郵送すればOK。
郵送コストはかかりますが住宅ローン控除の控除額を考えれば微々たるものです。
追跡可能なレターパックライトで郵送したとしても、返信用を含め720円です。税務署へ行く時間や交通費を考えればコスパもよろしいかと思います。
電子申告の方が楽なのでは?という意見もありますが、住宅ローン減税については不動産売買契約書のコピーや源泉徴収票を郵送しなくてはなりません。結局郵送するのであれば、申告書も併せて郵送してしまったほうが手間が省けるからです。
毎年確定申告をする人で今後は電子申告を行っていきたい方
迷わず③の「電子申告で提出」を選択してください。
サラリーマンでも副業をやっていれば毎年確定申告を提出しているかと思います。
今年度から今まで必要だった電子カードリーダーが不要となり基本的にインターネットに接続できる環境があれば電子申告を利用することができます。
確定申告を税務署へ行ってやっていた方はこれを機に電子申告に切り替えることをお勧めいたします。ただし、最初の利用申請の際は本人確認として税務署へ行き、IDを交付してもらう必要があります。
まとめ:住宅ローン控除に必要になる書類と提出方法